2016年1月31日日曜日

1月30日与太郎農園日記 植マネ講習

今日は朝からあいにくの雨!
出発地の蟹江も目的地の豊橋も。
しかし、肌を刺す寒さはなく手袋なしでもOKでした。
今日の授業は、先週に引き続三枝特任教授の”基礎先端農学 土壌・植物栄養学”です。
授業の初めに大きな冬瓜を持ってこられ「この地方で冬瓜はなぜ高く売れないのか?」
という演題で、冬瓜の種類や料理方法、冬瓜を好む地方はなど様々な切り口でお話しされ、工夫次第でビジネスチャンスはどこにでもある。
と熱弁を振るわれました。
また、本講座で受講生が取り組む課題研究について「自分の身の回りにある”不便だな”と思うことをどのように解決するか。考えるだけでなく実際に改善してみて問題の解決方法を実践してみること。売れない野菜についても食べる消費者の立場で調理してみて、どういった売り方が良いのか、エンドユーザーの立場で考えてみることが大切である。」
「このためには、観察力を高めて課題研究に取り組んでほしい。植マネの講座だからといって植物工場だけのことでなく、温室でも露地でも構わない。」
と課題研究についての考え方を熱っぽくお話になりました。
















講義内容は
フィールドにおける植物栄養学
1)植物の生育に必要な元素:多量元素、微量元素、有用元素
2)植物の養分吸収と窒素代謝
3)光合成と呼吸
4)植物のストレス生理
5)植物の生長調整
この講義の中で
”植物工場で成功するには”どうしたらよいか!
二つの重要な要件がある
一つは、科学的知見でデータを正しく理解する能力
もう一つは、篤農家の経験と勘
である。
科学的データのみでは立派な野菜を育てることができない。
このことは農業経営にあたって最も大切なことである。
と力説されました。

課題レポートは
「自分の関心のある栄養素を選び、選んだ理由、その効用と応用を記述しなさい。」
です。


2016年1月26日火曜日

1月26日与太郎農園日記 葉物野菜等の調整作業

毎週火曜日は与太郎農園の集荷日です。
本日出荷する野菜は、抜き菜(チンゲンサイ、菜花)、わさび菜、スイスチャード、水菜(赤、青)、ヤーコン、ニンジンです。
出荷先は、町内の、群凰さん、BONさん、活粋食堂さん
09:00に集合、収穫して温室内で調整作業を行い、水道水で洗浄し出荷します。
寒い中、頑張っていただいているのは、津田あや子さん、猪飼すみ子さん、本田忠弘さん。
冷たい水も負けず洗浄作業をしていただいています。

















今日は、これだけの種類を出荷します。
それぞれに、数束ずつ午前中にお届けしました。

















雪に潰された野菜たちも元気に立ち直ってきました。
がんばれ!

2016年1月23日土曜日

1月23日与太郎農園日記 植マネ講習

今日の授業は、三枝正彦特任教授の”土壌・植物栄養学”の講義です。
三枝特任教授は、今年度をもって豊橋技術科学大学を退官される予定で、今日の講義は一段と熱が入ります。

















冒頭「科学とは」「学問とは」「学問と勉強」「科学者になるには」というむつかしいお話から
科学とは!
知識や学問のこと、体系的な学問一般を指す。社会科学、自然科学などに分類される。狭義には自然科学のみを指す場合も
学問とは!
文化の一つで、系統的、体系的知見の総体である。学問の専門家を学者と呼ぶ。
学問と勉強!
学問は、問い学ぶこと、勉強は強いて勉めること。勉強は苦痛だが、問い学ぶことは誰でもできる。
科学者になるには!
朝永振一郎先生
ふしぎたと思うこと。よく観察して確かめそして考えること。そして最後に謎がとける。そしてこれらを発表すること。
アインシュタイン
大切なのは質問することをやめないことです。好奇心はそれ自体存在する根拠があつのです。また好奇心に必須のなものは自由であること。
江崎玲於奈博士
新しい研究分野を開拓すれば二流の学者でも一流の論文が書ける。
企業においても新分野を開拓すれば二流の経営者でも生き延びる。
偶然による科学上の大発見をセレンディビリティと呼ぶ
白川英樹~触媒の量を間違って導電性高分子を発見
フレミング~シャーレの蓋を閉め忘れてぺニシリンを発見
中山伸弥~動脈硬化を治そうとしたらモルモットが肝臓がんになりIPS細胞へ
などなど
失敗の原因を突き止めること、異常だと気づく観察眼が大発見に結びつく。

農業も異文化と融合すれば地域文化の振興や地域の活性化が可能!
植物工場の研究ににも農業者が入らなければ、科学者だけでは成功しない!
という、ありがたいお話がありました。

授業の内容は
1 命を育む土壌の科学
(!)世界の食糧生産と日本の農業
(2)土と土壌(世界の、日本の、そして渥美の)
(3)土壌の物理性と作物の生育、団粒構造とは
(4)土壌の化学性と作物の生育
(5)土壌の生物性と作物の生育:土壌微生物の多様性
(6)作物生育に対する肥料の役割:化学肥料と有機肥料
(7)施設栽培培地の特性と診断
の授業を受けました。

課題研究は
インターネットから自分に関心のある土を調べて書きなさい。
1)その土を選んだ理由
2)その土の現状
3)その土をどう利用したらよいか。
4)引用サイトおよび文献
締め切り1月29日まで

2016年1月17日日曜日

1月16日与太郎農園日記 植マネ先端農場見学

今日は座学を離れ東三河地方の先端植物工場などの見学を行いました。
08:30豊橋駅前集合し観光バスで、最初の見学先は”トヨハシ種苗”です。
この会社には、IT先導士第1期生の林さんが活躍しておられます。
トヨハシ種苗の主な業務は
種苗販売、プロの農家向け野菜苗の栽培、種苗会社からの依頼による新品種の試験栽培だそうです。
植物工場は自動車部品メーカーデンソーと共同で、植物工場のそのものを研究し、設備を販売するための研究開発部門だそうです。
したがって、植物工場で野菜を栽培して産品を売ることを業としていないということです。
なぜ、デンソーが植物工場設備作りをはじめたのか?
それは、デンソーが自動車で培ってきたエアコンをはじめとする環境制御技術が植物工場作りに役に立つのだそうです。真壁さんの熱弁に思わず引き込まれます。

















これが、植物工場を動かす制御盤です。

















内部ではトマトが試験栽培されていました。
栽培方法は養液栽培です。

















次に訪問したのが、JAあいち経済連営農支援センターです。
ここでは所長の鈴木さんから施設の説明をしていただきました。
経済連の上部団体は全農、県単位で経済連があるのは主要府県のみで、ほとんどが全農○○県支部
となっているそうです。農業の盛んな愛知県なので県レベルの組織が持てるのだそうで、この営農センターでは、高品質・高収益農業の支援、そのための技術の確立を目的に、圃場や植物工場での実証展示、残留農薬の検査、各種無機成分分析、病害虫等の整理障害診断等の業務をおこなっておられるそうです。

















営農センター植物工場における、試験栽培の施設です。様々な実証実験を行いながら高品質、高収益トマトの栽培方法を研究しておられます。
ここでも、トヨハシ種苗の養液栽培培地が使われていました。

















続いては、ナスの養液栽培と土耕栽培の比較をしている植物工場です。
同じように、キュウリも試験栽培されていました。

















昼食は田原のめっくんハウスで取り、午後からは田原市の低酸素むらづくりモデル事業である”田原市低酸素施設”で電照菊栽培の実証実験植物工場を見学しました。
花の世界でも、消費者の意向でA級品以外は二束三文、A級品を作らないと経営が成り立たないそうです。野菜だけでなく、花までも農芸品をもとめる日本的風土に翻弄される農家の姿がありました。

















今日の見学会は、トマトの植物工場を主に見学しました。
トマトの生産は農業先進国のオランダと対比されて評価されますが、気候風土の違いや、食べ方の違い(ヨーロッパは加工品が多い、見栄えを重視しない。日本でのトマトは生食中心で見栄えにより収益が大きく異なる)があり、単純に10アール当たりの収穫量だけでの比較では本質を見誤ることになるようです。
最先端と言われる、この地方の植物工場にも、いろいろと克服しなければならない問題が多いことに気づかされました。


2016年1月9日土曜日

2016年1月9日与太郎農園日記 植マネ講座 統計学

2016年初頭の植マネ講座 李特任助教による統計学二回目の授業が始まりました。
前回は、最後列で老人性難聴気味の与太郎には聞き取りにくく、今日は最前列で授業を受けました。
こんな感じです!

















授業の表題だけ書きます。
統計学の続き、2群差の検定、等分散検定、統計学その2、独立二群検定の使い方、カイ二乗独立性検定、計数値データの検定、多群の差の検定、Excel「分析ツール」の使い方、一元配置分散分析、多重比較、二元配置分散分析法、回帰と相関、相関係数、回帰直線、回帰の適合度、多変量解析、主成分分析、因子分析、クラスター分析、共分散構造分析、統計学の正しい利用と解釈
です。
PCでExcel分析ツールを使って、表を作り範囲を選択し、一発で分析表が出現!!感激でした。

授業の合間に4月から始まる”eラーニング”の使用説明がありました。
大学のサーバーにアクセスし、教科書とビデオで学習し、科目ごとにテストがあり、100点を取らなければ次に進めないそうです。
授業の内容は
植物工場管理コース~施設園芸学、人口光型植物工場論、太陽光型植物工場論、施設園芸工学、施設栽培システム工学、生産環境センサ工学
光合成環境制御工学~光合成システム論、植物バイオテクノロジー光炭酸ガス制御論、温度湿度制御論、複合環境制御論、養液管理論
植物工場経営管理コース~情報管理論、環境経営論、知的財産管理論、農業マーケティング論、自動制御論、食農リスク管理論
で、今年の年末ぎりぎりまで!その中で、中間レポート、最終レポート、夏季研修、海外オランダ研修があります。
それに加えて、自己研究課題レポートも!!
足取りも重く豊橋を後にしました。