日差しは強いですが風はさわやか、今日の実習はハクサイの播種、除草、収穫調整です。
午後は北村先生の”施肥について”の講義があります。
ハクサイの播種は72穴トレー6枚にハクサイのコーティング種子2種類(黄ごごろ、無双)を撒きます。用土に湿り気を与えます。
トレーに一粒ずつ深さ5ミリ に丁寧に撒きます。コーティング種子なので扱いやすい。
キャベツなどと同じように新聞紙マルチをして潅水し室内の冷暗所で発芽を待ちます。
圃場では除草作業にかかります。
本多先生に呼ばれ行ってみると「これがオオタバコガです。」といってナスの中に入り込んでいる虫を見せていただきました。 オオタバコガは危険が迫っていることに全く無頓着、一生懸命にナスを食べています。哀れになり”助けてあげましょうよ”と残渣置場に捨てました。
前回に、フェニックス2000倍液で消毒したのに生きていたんですねえ。ご立派!
ナス畝の南側は野芝の勢力範囲、どんどんと畑に侵攻してきます。
防衛ラインを南に広げないと一生懸命に野芝と戦います。
雑草天国だったオクラとサツマイモ畝もきれいに除草、見違えるような畑になりました。
中村教官から病気のサンプルを使った学習、糸状菌(カビによる立ち枯れ)によるものと診断され、即刻土ごと撤去、他の株への伝染を防ぎます。
午後は、北村秀教先生による”施肥について”の講義です。
先ず、肥料の種類から
単肥(硫安・尿素など)複合肥料(化成肥料など)有機質肥料、堆肥などの特殊肥料
また、肥料取締法による分類などの説明がありました。
肥料が効くということはどういうことか?
☆土の中に養分があり
☆養分が水に溶け
☆健全な根に養分が届き
☆吸収すること
養分が水に溶けた状態を表す値が電気伝導度(E/C)、値=1が標準でmS/cmで表す。
肥料の効き方
肥料には水に溶けやすいものと溶けにくいものがある。
溶けやすいもの~硫安、硫化カリなど
溶けにくいもの~苦土石灰、石膏など
リン酸などは土の中で溶けにくい形に変化するものがある。
肥料には土の中で微生物に分解されから効くものがある
油粕、米ぬか、骨粉など
どれも、最終的には水に溶けて吸収される
土の中の窒素の動きは微生物活動に大きく左右される
土壌の中には約一億の微生物が存在する。窒素はアンモニア態窒素から硝酸態窒素への変化は速やかに進み、アンモニア態窒素は土壌に吸着せれ硝酸態窒素は土壌に吸着されない。余分な窒素は水と共に流れる。速効性肥料の無機質窒素は肥効が短く有機質肥料のそれは長続きする。
土壌中でのリン酸の働き
リン酸は土壌中では水に流されたせず土中に残留する。根が届く場所でないと吸収されない。
土壌中でのカリの働き
水に溶けた成分と土壌に吸着された成分は作物に利用可能、土中では溶解、吸着、沈殿が絶えず行われ平衡状態が保たれている。
余分な窒素があるとそれに連れていかれる形で流失し土壌酸性化の原因になる。
温度により肥料の効き方が違う
夏と冬とでは効き方が違う。効果的な時期に効果的な施肥をすること。
施肥計画
行政では肥料による環境汚染などを防止するため施肥基準を示して農家を指導している。
愛知県では、先の授業で示した施肥基準を公開し利用できるようにしているのでこの基準を守ること。古い農家では前例踏襲型が多いが改めていただきたい。
(前回の北村先生の講義で当HPのURLを記載してあります。愛知県農林水産部農業経営課)
土壌窒素⇒家畜糞尿堆肥で足りない窒素を緩効性肥料で補う。
栄養分補給の原則
☆土の中に十分ある養分はやらない
☆土から、堆肥からの養分供給量を考えて
☆作物が必要な時期に必要なだけ与える努力を
☆何よりも肥料を吸える健全な根を張らせることが大切
最後に、北村先生などが作られた土診プログラムについて操作方法の説明がありました。
(前回の授業で北村先生のHPが紹介してあります。)
土壌診断を行う圃場の基礎データーを入力
レーダーチャートを作成し、足らない項目を抽出
肥料の種類を選び、分量を入力しレーダーチャートに反映する
過不足分を再度入力し正しいレーダーチャートを作成
温度のデータを入力
作物毎の施肥計画を作る。基礎データ参照
データ分析はエクセルのマクロ機能を使用している。
(この土診プログラムを作る際の秘話?など披露!)
という内容でした。
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